うっかりついてしまった油性ペンや、お子様の落書き。
なかなか落ちないのは何となく感覚でわかるので、焦りますよね。
でも大丈夫です!ちゃんとそれぞれ落とし方があります。
この記事では、油性ペンがついてしまった素材別に油性ペンを落とす最適な方法をご紹介しています。
油性ペンがついてしまったとき、落とすまでのスピードは大切ですが、まずは慌てずにこちらの記事の素材別の落とし方を見て、試してみてください。
はじめに油性ペンが落ちにくい理由などに触れていますので、各素材の油性ペンの落とし方が早く知りたい方は、目次からジャンプしてくださいね。
油性ペンはなぜ落ちにくいのか?
油性ペンは「油性」とその名の通り、着色料を油性の溶剤に溶かしたインクを使っているからです。
ご存じのように油は水を弾く性質を持っているため、いくら水がかかっても取れないことはお分かりかと思いますが、まだ他にも油性ペンの汚れが落ちにくい理由はあります。
ただ油性というだけでも汚れは落ちにくい上、油性ペンのインクには
- 色を表面にのせる「顔料」
- 染み込ませる「染料」
- 接着剤のような「定着剤」
が含まれているので、さらに汚れを落としにくいというわけです。
次に、ほとんどの方がこのうちどれかを使っているのではないかと思われる油性ペン3本の違いについて少しふれておきます。
マジック・マイネーム・マッキーで汚れの落とし方は変わるのか?
油性ペンの代表的な商品に「マジック」「マイネーム」「マッキー」の3種類あり、少し違う商品かと思っている方もいませんか?
ただ、結論から先にお伝えすると、油性ペンとしての特徴に少し違いはありますが、汚れの落とし方はほぼ変わりません。
マジック | マイネーム | マッキー | |
---|---|---|---|
販売元 | 寺西化学工業 | サクラクレパス | ZEBRA |
発売年 | 1953年 | 1969年 | 1978年 |
「マジック」「マイネーム」「マッキー」というのは商品名で、それぞれ、発売している会社が違います。
どれも、落ちない油性ペンとしては超優秀なので、気合を入れてあの手この手で落としてみます!
【素材別】油性ペンの落とし方
今回は、油性ペンの汚れがつきやすい、以下9つ(箇所)での油性ペンの落とし方についてご紹介します。
布と机に関しては、実際に検証した結果をもとに、最も油性ペンの汚れが落ちたアイテムと効果を記載しております。
検証の記事はこちらをご覧ください。
服などについた油性ペンの落とし方
油性ペンが服などの布についてしまったときは、エタノールか、除光液で落とすのが効果的。
ご覧のように、どちらもかなり薄くなっています。
除光液のほうが落ちますが、生地を傷めるリスクが高いので、ご家庭におありの方はまずエタノールから試してみるのがおすすめです。
その他、「クレンジングオイル」「ハイター」「オキシクリーン」などは実験の結果、効果なしでした。
本気で落としたい方は、以下の手順にそって試してみてくださいね。
- ①汚れた部分の下にタオルを敷く
-
下のタオルに汚れを移していくので、汚れてもいいものをご用意ください。
- ②汚れのある部分に除光液、もしくはエタノールをかける
-
色落ちや生地を傷める恐れがあるので、目立たないところで試してみてくださいね!
- ③汚れの部分を上からたたく
-
たたくものは、こちらも汚れても良いタオルや、布など。
さらに強力にシミ取りしたい場合は、割りばしに生地を巻き付けて先端でたたくと、より効果的です。
- ④②、③を数回繰り返す
-
落ちにくい場合はアイロンやドライヤーを使用して熱を加えると効果がアップしますよ!
- ⑤水でしっかりすすぐ
-
少し残っている場合は洗濯用洗剤を汚れの部分にかけて一晩漬け置く。
洗剤は、油性ペンなどにも効果があるとうたっている濃度の高いものがいいですよ!
おすすめはライオン「スーパーナノックス」です。
その他の詳しい実験結果が知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
机についた油性ペンの落とし方
机(木製以外)に油性ペンがついてしまったときは、クレンジングオイルで落とすのが、安全で効果的です。
クレンジングオイルが無い場合は消毒用エタノールでも効果がありますよ!
こちらも実際に落とす実験をした結果です。
さらにここからメラミンスポンジでこすると、ほぼわからないくらいになりました。
机についた油性ペンの汚れを落とす具体的な手順はこちらです。
- ①汚れのある部分にクレンジングオイルをかける
-
メラミンや樹脂などのシート仕上げの場合は、除光液やエタノールのほうがスピーディに落とせますが、素材によっては机を傷めてしまう恐れがあるので、心配な方はクレンジングの方が安全性が高いです。
- ②10分ほど放置し、拭き取る
-
除光液やエタノールの場合は布に染み込ませ、素早く拭いてください。
- ③汚れが少し残っている場合は、メラミンスポンジで軽くこする
-
柔らかい素材の場合はメラミンスポンジによって削れてしまう恐れがあるので様子を見ながらこすってくださいね!
机についた油性ペンの汚れを落とす実験の結果はこちらの記事をご覧ください。
床についた油性ペンの落とし方
床に油性ペンがついてしまったときは、素材によって対応が異なります。
シート張りなど、表面が樹系の場合には、クレンジングオイルやエタノールを使って机の実験と同様の手順で落とすことができます。
ただし、無垢・コーティングされたフローリングは汚れが取れないどころか傷めてしまい余計に目立つなんてことになりかねません。
白く変色を起こしたり、変質してもろくなったりするので、必ずプロに依頼してリペアの処置をしてもらうようにしてください。
プラスチックについた油性ペンの落とし方
プラスチックといっても種類がたくさんあり、カチカチのおもちゃから柔らかいカップめんの容器まで、プラスチックの仲間です。
プラスチックの種類によって、アルコールに弱いものや、油分に弱いものがあります。
数あるプラスチックのなかからおもちゃなどによく使われる主なプラスチック4種類と、プラスチックについた油性ペンの汚れを落とす方法の代表的な「クレンジングオイル」「エタノール」「除光液」を対応表にしました。
塩化ビニル樹脂(PVC) | ポリプロピレン(PP) | ポリスチレン樹脂(PS) | ABS樹脂 | |
---|---|---|---|---|
素材例 | ボールなど 柔らいものに多い | 歯固めなど 少し柔らかいもの | カップ麺の容器など 発泡スチロール全般 | プラモデルなど 硬く色鮮やかなものに多い |
クレンジングオイル | ||||
エタノール | ||||
除光液 (アセトン) |
このように、同じプラスチックでも、種類によってこれだけの差があります。
そもそも、「何となくプラスチックだと思うんだけど、種類までわからない…」という場合も多いですよね。
そんなときはこの順番で試してみてください。
- プラスチック消しゴムでこする
- クレンジングオイルをたらし、10分ほど放置後、拭き取る
- エタノールを布などに含ませて、拭き取る
- 除光液を布などに含ませて、拭き取る
まずは変質の可能性が少ない、プラスチック消しゴムでこすることから初めてみてください。
それでも落ちなければ、②番のクレンジングオイルを試してみてください。
それでも落ちないときは③番以降ということになりますが、ここからは非対応のプラスチックがグッと増えるので、もし落ちなければ捨てるしかない…という場合のみおすすめします。
一概に対応表の通りというわけでもなく、コーティングや特殊加工などにより耐性が変わってくる場合もあります。
特にエタノール、除光液を使用する場合は必ず目立たないところで変質・変色等がないか試してください。
ホワイトボードについた油性ペンの落とし方
間違えてホワイトボードに油性ペンで書いてしまったことはないでしょうか?
そんなときは上からホワイトボード用のマーカーで塗りつぶし、そのあと通常通りホワイトボード用のイレーサーで消すと、落ちます。
ホワイトボード用のマーカーに含まれる「剥離剤」が一緒に油性ペンのインクも落としてくれますよ!
肌についた油性ペンの落とし方
皮膚に油性ペンがついてしまったときは、肌にたっぷりとクレンジングオイルを塗って、くるくるとなじませたあと、乾いた布やティッシュで拭き取りましょう。
うっすらと残りますが、半日~一日ほど普通に過ごしていると、知らない間に消えていることがほとんどです。
クレンジングオイル以外に、日焼止めやハンドクリームなど、油分の多いもので代用できますよ!
木製のものについた油性ペンの落とし方
家具など、木製のものに油性ペンがついてしまうと、残念ながらもう完全に落とすことは難しいです。
メラミンスポンジやコンパウンドを使うと傷がつき、白くなってしまいます。
しかし、木の良い所もまた削れることで、プロにお任せするとぺーパーやすりなどを使って綺麗に仕上げてくれます。
ただし、プロに依頼する場合でもインクが多すぎたり時間がたっていると木がインクを吸収しすぎて手遅れになることもあるのでお早目にご相談ください。
紙についた油性ペンの落とし方
紙に油性ペンがついてしまったとき、プリントやポスターの場合は完全に落とすことは難しいです。
ただし、壁紙の場合はビニールコーティングがされていたり、ある程度の汚れを想定していることも多いので、落とせることもあります。
落とせなくても、上から色を塗って目立たなくする商品もありますよ!
ゴム製品についた油性ペンの落とし方
ゴムに油性ペンがついた場合も残念ながら完全に落とすことは難しいです。
なぜなら、油性ペンに含まれる溶剤がゴムを溶かしながら色を定着させるためです。
シンナーやアセトンなど、強い溶剤を用いれば薄くはなるかも知れませんが、溶け込んだ油性ペンのインクは完全に消えることはありません。
さらに表面が溶けてベタベタになったり、変形を起こし、そもそも使い物にならなくなる可能性が非常に高いので、試しにやってみる、というのもおすすめ出来ません。
油性ペンがついてから時間がたったときは
油性ペンには染め上げる「染料」が含まれているので、時間が経過するとどんどん染み込んでいき、落ちにくくはなりますが、諦めるのはまだ早いです!
木や紙の場合はもう落ちないですが、染み込みにくい硬いものの場合は、今回の方法で落ちる可能性もあるので、素材の様子を見ながら、試してみる価値はあるでしょう。
まとめ
今回、実験を行った布と机では、一番油性ペンの汚れが落ちるのは「布は除光液」「机はクレンジングオイル」という結果になりました。
ただ、この油性ペンは、冒頭でもお話した通り、染み込んで染めていく性質があるので、汚れがついてしまった素材によってかなり大きな差があることもわかりました。
全体的に結果をみるとエタノールや除光液は、落とす力が強力で、困ったときには頼りになる印象です。
しかしそのぶん刺激も強く、落ちないだけならまだしも、生地や素材を傷めてしまうこともあるので少しずつ様子をみながらご使用ください。
とくに木製の机や、無垢・コーティングされたフローリングなどのデリケートな素材はプロに依頼してリペアの処置をしてもらうようにしてください。
今回ご紹介した方法で、うっかりついちゃった油性ペンの汚れが落ちること、願っています。