服などの布に、油性ペンがついてしまったとき、直感的に「もう落ちないかも…」と思う方も多いでしょう。
想像するだけでいかにも落ちにくそうな油性ペン。でも、落とす手立てはあります!
この記事では、一度布についてしまうと手強く落ちにくい油性ペンをなんとか落とすべく、7つの方法を使って検証してみた結果を公開します。
今回の実験は各アイテム本来の洗浄力を見るため、こする、たたくなどの特別な処置はせずに行いました。
その結果を踏まえて、油性ペンの汚れを落とす本気の技を最後でご紹介していますので、実際に衣服についた油性ペンを落とす際はそちらの手順にそって、試してみてください。
「早く落としたい!」というかたは目次から生地最後の手順までジャンプしてくださいね!
布についた油性ペンはなぜ落ちにくいのか?
油性ペンは「油性」とその名の通り、着色料を油性の溶剤に溶かしたインクを使っているからです。
さらに、成分としては、色を表面にのせる「顔料」、染め上げる「染料」、接着剤のような「定着剤」が含まれており、はちみつ程度の粘度があります。
各社、「落ちにくい」ことに命をかけて、これでもか!と成分を配合しているので、落ちにくくて当然なんですね。
さて、ここからはいよいよそんな手強い油性ペンを落とす実験を行っていきます。
布についた油性ペンが一番落ちるアイテムを検証
このように布に油性ペンで書いた線を、消していきます。
今回使用したアイテム
- 生地はポリエステル85%、綿15%のいわゆる普通のTシャツ
- 油性ペンはマッキー
それでは検証結果を一つづつお伝えします。
ちなみに結論からお伝えすると、最適な落とし方ができるのは「除光液」で、次に「エタノール」でした。
油性ペン落とし検証①:消毒用エタノール
使用アイテム | 消毒用エタノールIP |
最終結果 | 少し薄くなる程度 |
消毒用エタノールを使った検証の様子
油性ペンで書いた布にエタノールをつけると、すぐに油性ペンのインクが溶け出しましたが、薄くなっただけで汚れ自体は残りました。
このあと一度エタノールを入れ替えながら、30分ほど漬けて見ましたが、結果は変わりませんでした。
落ちると評判のエタノールではあるものの、大切な衣類の油性ペンの汚れを落とすのには使えないレベルと言っても良いでしょう。
ちなみに、アルコール度数99%以上の無水エタノールなら、もう少し落ちは良いですが、1本1600円ほどするので、クリーニングに出したほうが効果は高いです。
油性ペン落とし検証②:除光液
使用アイテム | コージー エナメルリムーバー(アセトン入り) |
最終結果 | かなり薄くなり目立たなくはなる |
除光液を使った検証の様子
油性ペンをつけた箇所に除光液を注ぐと、こちらもすぐに油性ペンのインクが溶け出し、落ちたかな?と感じるほどすぐ薄くなりました。
また、除光液を30分つけて放置しても、薄さは初回と変わりませんでした。
今回は、アセトンが配合された除光液を使用しました。除光液にはエタノールも含まれていますが、このアセトンが含まれていることによって、消毒用エタノールと結果をわけたようです。
アセテート・トリアセテートを含む布は、アセトンに触れると溶ける性質がありますので洗濯タグにて確認してください。
また、布の染料によっては色落ちしたり、生地を傷める恐れがあるので、目立たないところで試してから行ってください。
油性ペン落とし検証③:クレンジングオイル
使用アイテム | ホワイトクレンジングオイル |
最終結果 | 輪郭がぼんやりとした程度 |
クレンジングオイルを使った検証の様子
こちらも落ちるとの声が多かったのですが、結果はこの通り、少し滲む程度でした。
しばらく置いてみても、ちょっと布に汚れが広がった程度で汚れは落ちませんでした。
油性ペン落とし検証④:サラダ油
使用アイテム | 日清キャノーラ油 |
最終結果 | ほぼ変化なし |
サラダ油を使った検証の様子
こちらもクレンジングオイルと同様、ほんの少し滲みましたが、やはりクレンジングよりは落ちない印象です。
ただベタベタになっただけで油性ペンの汚れは全く落ちませんでした。
生地によっては油汚れまで出来てしまう恐れがあるのでこれはやめたほうが良さそうです。
油性ペンを落とす原理は油で溶かして落とす、ということで、念のためサラダ油も試してみましたが、滲む程度の結果でした…
油性ペン落とし検証⑤:中性洗剤
使用アイテム | 花王ファミリーフレッシュ |
最終結果 | 変化なし |
中性洗剤を使った検証の様子
汚れものにとりあえず使ってみる中性洗剤ですが、汚れはびくともしませんでした。
このあと30分ほど漬け置きもしましたが、全く変化がありませんでした。
油性ペン落とし検証⑥:ハイター
使用アイテム | 花王ハイター |
最終結果 | 変化なし |
ハイターを使った検証の様子
布にハイターをかけ、水で薄めたものを30分放置しました。
強い薬剤ですが、ほぼ変化はありませんでした。
油性ペン落とし検証⑦:オキシクリーン
使用アイテム | オキシクリーン |
最終結果 | 変化なし |
オキシクリーンを使った検証の様子
布が見えなくなるくらオキシクリーンをかけ、お湯を注ぎます。
シュワシュワして一瞬見えなくなりましたが…泡がなくなるとしっかり汚れが残っていました。
30分放置するも油性ペンの濃さは変わらず。
結果!一番落ちたのは除光液
今回の実験で一番油性ペンの汚れが落ちたのは除光液でした。
写真のように、ほぼ目立たない程度になっています。
ただ、気を付けてほしいのは、汚れの周りが薄く汚れてしまう可能性があることです。
除光液は今回、断トツの汚れ落ちで、ぐんぐん油性ペンを落としましたが、そのスピードが速すぎて、白いTシャツなどの場合はインクが広がる恐れがあります。
汚れが浮いてきたら、すぐに新しい除光液に浸すか、一旦洗い流すなどしてください。
衣服についた油性ペンを落とす具体的な手順
まず、必ず使うものと、プラスであったらより効果がでるプラスアイテムのリストをのせています。
少しめんどくさいですが、確実に落とすために処置をプラスしていますので、ご自宅にあれば是非お使いください。
必須のもの
- 汚れてもいいタオル(もしくは布)2枚
- 除光液またはエタノール
プラスワンアイテム
- アイロンまたはドライヤー
- 割りばし
- 濃度の高い洗濯用洗剤
それでは、ここからは実際に油性ペンの汚れを本気で落とす手順を説明します。
- ①汚れた部分の下にタオルを敷く
-
下のタオルに汚れを移していくので、汚れてもいいものをご用意ください。
- ②汚れのある部分に除光液、もしくはエタノールをかける
-
色落ちや生地を傷める恐れがあるので、目立たないところで試してみてくださいね!
- ③汚れの部分を上からたたく
-
たたくものは、こちらも汚れても良いタオルや、布など。
さらに強力にシミ取りしたい場合は、割りばしに生地を巻き付けて先端でたたくと、より効果的です。
- ④②、③を数回繰り返す
-
落ちにくい場合はアイロンやドライヤーを使用して熱を加えると効果がアップしますよ!
- ⑤水でしっかりすすぐ
-
少し残っている場合は洗濯用洗剤を汚れの部分にかけて一晩漬け置く。
洗剤は、油性ペンなどにも効果があるとうたっている濃度の高いものがいいですよ!
おすすめはライオン「スーパーナノックス」です。
これでほとんどの布についた油性ペンの汚れは落ちるはずです。
是非一度試してみてくださいね!