何気なくクリーニングに出しているドライクリーニング。
洗濯絵表示でドライクリーニング可能になって衣類などありますが、そもそもこのドライクリーニングってなんのこと?

自宅ではできない洗濯方法だということを聞いたことがあるけれど・・・。
そんなドライクリーニングの疑問を3分で理解できるように簡単シンプルにご説明させて頂きます。
ドライクリーニングとは?
ドライクリーニングとは、一言でいうと“水を使わない洗浄方法”のことです。
ドライという言葉の意味を調べると、“乾燥した”“乾いた”と意味があり、クリーニングと組み合わせて直訳すると「乾いた洗濯」となりますよね!
洗濯といえば、洗濯機の中に水を入れて、洗剤が入レテグワーッと洗う。
こんな水洗いのイメージがあるかとは思いますが、カシミヤやウールなどの素材を、通常通りの水洗いをしてしまうと衣類を縮みや型崩れをしてしまいます。
実はドライクリーニングというのは、ウールやカシミヤのようなデリケートな素材を洗うために開発された「衣類に優しいクリーニング方法」です。
ドライクリーニングと水洗いの違い

水洗いは”水を使った洗浄方法”で、基本的に家庭で洗濯することが出来ます。
そして、ドライクリーニングは、水の代わりに”有機溶剤を使用する洗浄方法”なのです。
ドライクリーニングは1830年にフランスで発明された方法で、油汚れを落としやすく、衣類に優しい洗浄方法です。
また、有機溶剤とは、石油や塩素が原料になっている衣類用クリーニング溶剤のことです。
石油系の洗剤?有機溶剤はなぜ使ってるの?
ドライクリーニングの“ドライ”の意味は“水を使用しない”という意味です。水の代わりにガソリンなどの有機溶剤を溶かして洗浄するのですが、口紅などの油系の汚れがよく落ちるということを偶然発見し、それから使われるようになったようです。

中学や高校のときに経験したことがある方も多いかと思いますが、油絵の筆の洗浄方法もガソリンを利用します。油は油でしか洗えないためです。
とはいえ、大切な衣類なので、初めて聞くと「ガソリンで洗濯しているの?!」と驚きますよね。
ただ、日常で目にするガソリンなどではなく、専用の洗剤なのでご安心くださいね!!
何よりも有機溶剤は、水洗いが出来ない素材(カシミヤなど)にも使えるので、非常に大切な存在なのです。

家とクリーニング店のドライクリーニングの違い
そもそも、洗い方も利用している洗剤も全然違います。

自宅で洗濯する場合、オシャレ着洗いなどの中性洗剤を使って洗濯されている方が多いと思います。
これらの洗剤は、型崩れなどを出来るだけ少なくするように開発されたものであって、そもそもドライクリーニングとは言えないものなので、縮みや型崩れはするものと思うほうがいいかもしれませんね。
クリーニング店でのドライクリーニングは、専用の有機溶剤を使用してクリーニングしてくれており、しっかりと汚れが落ち、縮みや型崩れのリスクが少なくなっています。
家の洗濯機でドライクリーニングは出来ない!?ウソホント
厳密にはドライクリーニングではないが、ドライクリーニングっぽいことならできるといえます。
家の洗濯機で洗濯ができるかどうかを見極めるポイントは洗濯絵表示にある、ドライマークと水洗いマークを確認することです。
水洗いマークに”×”のマークがない場合は、自宅で洗濯が出来ます。もちろん、洗濯機の設定はドライコ-スにしていただき洗剤はエマールなどの中性洗剤を使用することをお勧めします。
ドライコースは、水を使って洗濯槽をほとんど動かさず、衣類を優しく洗濯します。また、洗濯機以外にも、優しく手洗いをすることも可能です。
ドライクリーニングのメリット・デメリット
メリット

- 型崩れ・縮みが発生しにくい。
- 色落ちがしにくい。
- 油汚れをよく落とす。
- 衣類に優しいので、衣類が長持ちする。
デメリット

- 水溶性の汚れが落ちにくい。
- 乾燥等に時間がかかる。
- 環境汚染の問題になっている。
ドライクリーニングの洗濯絵表示解説
2016年12月から洗濯絵表示が変わりました。以前の洗濯絵表示と現在の洗濯絵表示をまとめて解説致します。
◆2016年12月以前のドライクリーニングに関する洗濯絵表示◆

- ドライクリーニングが出来る。溶剤は、パークロロエチレン又は石油系のものを使用する。
- ドライクリーニングができる。溶剤は、石油系の溶剤を使用する。
- ドライクリーニングは出来ない。
◆現在のドライクリーニングに関する洗濯絵表示◆

- パークロロエチレンの溶剤での、ドライクリーニング処理ができる。
- パークロロエチレンの溶剤で、ドライクリーニング処理ができる。弱く処理する。
- ドライクリーニングができる。溶剤は、石油系の溶剤を使用する。
- 石油系溶剤(蒸留温度150℃~210℃、引火点38℃~)でのドライクリーニング処理ができる。弱く処理する。
- ドライクリーニング処理が出来ない。
ドライクリーニングに適した衣類・素材
ドライクリーニングに適した素材の衣類 コート、セーター、スカート、ジャケット、マフラー ドライクリーニングに適さない素材の衣類 ウール、カシミヤ、シルク、アンゴラ、動物性繊維
ということは、冬物によくある素材や衣類に、ドライクリーニングは良く適しているクリーニング方法と言えます。
ドライクリーニングも出来ない衣類
ちなみに、ドライクリーニングもできない衣類もあります。
- ビニールレザー
- 天然ゴム
- ボンディング加工
- ポリエステル塩化ビニール
- 装飾部分などに接着剤を使用している
理由は、ドライクリーニングの溶剤によって、溶けたり変形してしまうためです。
ドライクリーニングはどこで出来るのか?
有機溶剤を使用・廃棄のための資格を保有している、クリーニング店でのみドライクリーニングが可能です。
そのため有機溶剤は、市販されていません。ということは、クリーニング屋と同じものが利用できないため、家庭でのドライクリーニング洗濯は出来ないのです。
ただ、一般的にクリーニング屋さんであれば大抵の場所でドライクリーニングができます。しかし、有機溶剤の匂いは結構残るので、本当にクリーニング品質の高いクリーニング屋さんに出さなければ、匂いが残ったりと戻ってきたときに非常に残念な気持ちになってしまうかも・・・。
ドライクリーニングの料金の目安
クリーニング屋さんにより料金は大きく異なりますが、一般的な料金の目安を良く出す衣類別に少しだけ紹介しておきます。
衣類 | 料金 |
---|---|
スーツ(上下) | 1,000円〜 |
コート | 1,200円〜 |
マフラー | 400円〜 |
セーター | 500円〜 |
スカート | 700円〜 |
また、オプションは当然ながら有料で、撥水加工については、5~10割増しなど、手間がかかる衣類には、追加料金が発生する場合があります。
ドライクリーニングの衣類はどこに出すのがオススメか
結論を先にお伝えすると、宅配クリーニングに出すのが最もおすすめです。
ドライクリーニング推奨の衣類はやはり冬物が多く、1点が大きめの衣類ばかり。そのため価格も高くなりがちで、クリーニング屋へ出しに行くのも非常に面倒です。
その点、宅配クリーニングは、家までクリーニングに出す衣類を取りに来てくれて、クリーニングが終わったら家まで届けてくれます。
また、送料無料でサービス展開をしているところもあり、日本全国のお客様を相手にしていることもあり、それなりに高いクリーニング品質を保っています。
近所のクリーニング屋とあまり料金が変わらないのであれば、一度宅配クリーニングを利用してみてはいかがでしょうか?
1点づつの少量でクリーニングに出す方
ちなみに少数の1点からクリーニングに出したい方は、リネットがおすすめです。
何点もまとめてクリーニングに出す方
ドライクリーニングに出すぐらいの衣類なので、クリーニング品質が高くしっかりとやってくれる宅配クリーニングに出したい方には、リナビスをおすすめいたします。
他社クリーニング店では扱っていない高価な溶剤を使っており、仕上がり後の嫌な匂いがほとんどありません。
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